夢中になってあそぶこと

 秋が一段と深まり、日が暮れるときなど、空がきれいな季節と なりました。  子どもの頃、夢中になっていた遊び、「かくれんぼ」や「石け り」など、日が暮れるまで友達と遊んだものです。友達と夢中に なって遊ぶことは、大切な「学習」であったことを今改めて感じて います。

 「かくれんぼ」では、小さい子が鬼にならないルールをお兄さ んやお姉さんが工夫してくれました。しかし、小さい頃の自分に は、このルールが物足りなく思えて、だんだん鬼をやってみたく なり、鬼をやらせてもらいました。鬼の役は難しく、泣きながら かくれんぼをやったこともありました。楽しさの中にも人間とし てたくましく成長する学習だったと思います。

 「石けり」は、片足で石をけり、ジャンプを続けることが多いので、バランス 感覚や体力が増す学習だったと思います。また、お気に入りの石を大切にしたも のです。石の大きさや重さ、けりやすい形など、石探しにも夢中でした。  その他、基地作りでは、友達と試行錯誤しながら楽しい空間づくりに明け暮れ たものです。コマ回し、めんこなどは、ちょっとした広場があれば、夢中になっ て遊ぶことができました。

 遊ぶ環境があった時代から遊ぶ環境をつくる時代へと変化している現在、特に 幼児期の子どもたち一人一人に試行錯誤しながら夢中になって遊んでほしいと願 わずにはいられません。  試行錯誤しながら夢中になって遊ぶことは、小学校以降の学習の中で、思考 力・判断力などの基礎となり、社会人として生きる力になると考えられていま す。
 
 子どもたち一人一人が試行錯誤しながら夢中になって遊ぶ ことができる環境づくりは、目には見えない子どもの心をよ り多くの目で見るチーム保育がなければ難しいでしょう。教師が共に 支え合い共に学び合う姿勢や環境をつくっていくことなど、今年3月 に公示された新幼稚園教育要領等から伺うことができました。

                     栃木県幼児教育センター