「子育て奮闘記」

PTA幼稚園教育振興の集いにおいて、若葉幼稚園会長が栃木県PTA連合会の代表で壇上に立たれた体験発表の原稿を掲載いたします。

 

『子育て奮闘記』

皆様こんにちは。私は栃木市にあります「燿光学園 若葉幼稚園」父母会会長を務めさせていただいております、どうぞ宜しくお願い致します。

まず、こういった場でお話をするのは、人生初めての事なので緊張致しますが、とても貴重な体験ですので、はりきって私の子育て奮闘気を、お話したいと思います。

私には、三人の子ども達がいます。上の子から小学二年生、8歳の長女、年中さん5歳の次女、そして二歳4か月の長男といった、

女女男の元気いっぱい三兄弟です。

家族構成は、夫に私、子ども三人と夫の母との6人家族です。

子ども達は、ちょうど年が三つずつ離れているのですが、毎日、長女と次女のケンカから始まり、そこへ長男が参戦!我が家に笑い声よりか、文句や告げ口、そして泣き声が絶えません。

 

そんな中、今年の年末年始の時期に、実家の父と、同居しております夫の母が、立て続けに体調を崩し、救急車で運ばれ、緊急入院といった事態となり、とても大変な時期がありました。実家の父は、もともと肺を悪くしており、日頃から酸素ボンベを引いての生活でしたが、昨年のクリスマス時期、夜中に気分が悪くなったとトイレに立とうとした際、気を失い、そのままフローリングに倒れてしまい、頭を強く打った衝撃で頚椎を損傷してしまいました。一時半身不随となり、寝たきりの状態に。実家は自営業で自動車整備会社を営んでいるため、年末はとても忙しく、冬休みだった為、子供たち3人を仕事場に連れて行き、家業と母のサポートしながら、どうにか年の瀬を迎えました。

新年を迎え、今度は同居の母が、元旦から脳梗塞で倒れ緊急入院。一日の朝、家族でおせちを頂いた後、母が「何だか頭がスッキリしないんだよ」と言うのです。急激に話し方も、入れ歯が入っていないのかと思うほど、スカスカとした話し方になり、膝にも力が入りにくく、立ち上がれないと言うのです。元看護師の親友に相談したところ、すぐ救急車を呼んだ方が良いと言われ、慌てて救急車を呼び、独協医科大学病院へと緊急搬送されました。最善の治療をつくして頂きましたが、同居の母は、脳梗塞の後遺症で左半身がマヒ状態になってしまいました。

私は、子ども達が学校や幼稚園に通っている間、まだ1歳だった長男を連れて、実家の父が入院している病院へ行ったり、同居の母は独協医科大学病院から上三川町にありますリハビリの病院に転院となった為、両方の病院を掛け持ちしながら、ほぼ毎日のように往復100キロの病院通いで、バッタバタの生活でした。

子ども達も、私の病院通いに振り回され、なかなか落ち着いた生活ができず、かわいそうだったと思います。

そんな日々が続きましたが、桜が咲くころ、実家の父はリハビリの甲斐あって、自立できるようになり、介護も軽度の状態で退院することができました。しかし同居の母は、介護の階級も高いく、車椅子と介助なくては生活ができないため、自宅へ戻ることがでず、

今は介護老人保険施設へ転居し、そちらでお世話になっております。

 

私たちの生活は多少落ち着きましたが、お恥ずかしい話し、介護施設への支払いは年金だけではまかなえず、この先、長くかかる介護生活を支えるため、私は実家の家業へ正式にパートさせてもらえるようお願いをし、仕事復帰いたしました。

その為、私のタイムスケジュールは、朝から晩までフル活動です。朝食作りから始まり、夫のお弁当作り、お姉ちゃんを小学校へと送り出し、次は次女と長男の支度へ。幼稚園へ送迎した後は、そのまま長男を連れてパートへ向かい、2時半のお迎えに間に合うように仕事を切り上げて戻ります。子供たちが帰ってきたてら、落ち着く間もなく、お稽古に連れて行ったり、その間、介護施設へ行ったりと、夕飯やお風呂の準備が整うまで座る暇もありまでん。また、子どもが三人集まると、あっという間に家の中が散らかり、寝るまでの時間はガチャガチャ、ガチャガチャ。どっと疲れが出ます。

また朝になると忙しいので、夜のうちに洗濯をすませ、やっと自分の時間となると12時前。そこからいろいろと自分の仕事に取り掛かるので、睡眠時間が2・3時間のときもあれば、座ったまま寝ていたりと、なかなか作業が進まず一日が終わってしまうこともあります。

そんな毎日なので、私の心に余裕がなく、子どもの些細な事でイライラ、イライラ。つい大声で怒鳴ってしまいます。

自分の性格は、わりと温厚な性格かと思っていましたが、怒る姿はまるで鬼ババアのようです。結婚した当初は、いつまでもきれいな奥さんでいよう。子どもができたら、やさしいお母さんでいようなんて思っていましたが、夢と現実は、まったく違いました。

子ども達が成長するにつれて、悪ふざけなどが目立つようになり、さらにイライラは増幅。面白がってやっているのは分かりますが、それを笑ってあげられる気持ちの余裕はありません。なんで家の子は・・・。と本当に悩みます。

子育て参考本を読んで、解決方法を探したり、講演会で話しを聞けば、反省し、それを実行してみたりと、私なりに頑張ってみました。生活習慣を見直そうとも努力しましたが、なかなか思い通りに子ども達は動いてくれないのです!

できるだけ褒めてあげよう、時間がかかっても、頑張りを認めてあげようとは、思っていますが、私達にも、子ども達にも、時間という縛りがあります。「ちょっと、何してんの!早くやって!」ついつい言ってしまう、私の口癖です。子ども達も、こんなことを毎日言われていたら、ストレスがたまっていることと思われます。現に、長女に、にらまれます…。

また、二歳の長男は自我が芽生え、自分の欲求を満たす意思の強さは、天下一品。すぐ「ママー!ママー!」と呼ばれ、なかなか私から離れてくれないので、家事仕事がなかなか進みません。

 

こんな状況の中、私だけではなく、皆さんも、子ども達の世話をしながら、家事仕事やパート、また教育現場や部活動、地域の会合に出席したりと、とても大忙しの事と思います。子どもが大きくなるに連れ、日々のスケジュールがいっぱいで、ゆっくり休む暇もありませんよね。夫には口にして言えませんが、もし、主婦に時給があるならば、主人より稼いでいるんじゃないかと、心の中で思っております。

 

 

 

こんな、たいした母親ではありませんが、私達夫婦で子育ての教訓としている言葉があります。それは「継続は力なり」という言葉です。言葉の意味はお分かりになられるように、「何事においても、継続することは大変なことですが、その努力を積み重ねれば、成功へ導く」といった意味です。まだまだ小さな子ども達に努力をしなさいというのは難しいので、私達はこの努力を「小さな成功を積み上げていこう」といった意味で子育てしています。

小さな成功とは、どんなことかと言いますと、ほんと難しくない目標を、こつこつと積み上げることによって、継続する力や自信が付き、成功へとつながるといったことです。

 

家の子の縄跳びで例を挙げますと、第一ステップは、縄跳びをもって遊ぶとこから始まり、段々と一人で縄を回せるようになり、次はジャンプできたら大成功!「やったね!できたね!」と子ども達と喜びを分かち合いながら、次へのステップへ。練習するにつれ二回、三回と続けて飛べるようになり、結果、縄跳びができるようになるといった具合です。ここまでスムーズにできる分けなく、泣いたりくじけたりと、とても時間はかかりましたが、できるようになると、習得するまでの時間はあっという間でした。私達もレベルの高いことを要求せず、できる範囲の簡単なステップを用意してあげることで、だんだんと自信がつき、最終的には、できるようになったのだと思います。

 

長女は、小さな頃からプールが苦手で、スイミングスクールに通う?と誘っても、ぜったい行かないと断り続けていました。しかし小学生に上がり、プールの授業で少しずつ水に慣れると、「ママ!今日プールの中で、目を開けられたんだよ!」、「バタ足で、少し進めた」など、だんだんとプールが楽しくなってきている様子です。私も「そっか!すごいじゃん!」などと、長女と共感することで、自分は段々できるようになってきたと自信がつき、次へのステップへ進んでいるのだと思います。本人は、まだ3m程しか泳げないと言っていますが、3年生になったら、25m泳げるようになりたいと張りきっています。

次女はただ今5歳児の反抗期。そして兄弟の真ん中という立場で、夏休み中では大いに荒れていました。何かにつけ、自分は同等と長女に噛み付き、弟には命令をしますが、どれもこれも自分の思い通りにならず、大威張りです。幼稚園では、わりと面倒見の良いお姉さんの様ですが、家では、わがままお嬢様のようで、ほんと、今の私の悩みの一つです。そんな子ですが、まだまだ可愛らしい所もあり、お母さんゴッコすると上機嫌です。

スーパーでカートを押してくれたら「ありがとー。助かる~!」と

一緒に買い物すると、「牛乳がなかったから買わなくちゃ!」「良く覚えてたね~!」「お菓子かっていい?」「一個だけね」なんてことをよくやりながら買い物をしています。だんだんレジを通るのに自信がついてきたのでしょう、スーパーに車で買い物に出かけた際、 長男が泣いて車内であやしていると、一人で買い物してくると言うのです。とっても心配でしたので、お姉ちゃんと一緒に、ひき肉とパンを買ってきてと、1,000円を持たせて頼みました。意気揚々とスーパーに入っていきましたが、5分もしないで「ひき肉ってどこに売ってる?」と戻ってきました。「ウインナーとか売っている辺りにあるよ」「分かった!」と、また楽しげに入って行きます。また戻ってきて「ひき肉ってどんなお肉?」「えっ!知らないの?」と思わず言ってしまいましたが、「細かく切れてるお肉だよ!ハンバーグにするお肉だよ」と言うと「分かった!」とまた走ってスーパーに戻ります。

も~何回も聞いて来るので心配でたまりませんでしたが、どうにかミッション成功。お陰様で、ひき肉のことはバッチリ覚えましたし、お金の単位など、少しずつ分かってきた様子です。これも小さな成功が生んだ大きな自信だと思います。最近では、「ママ、何買うのか言って」と聞いてくるので、「卵でしょー、ハムでしょー」などと言うと、一生懸命メモをとってくれます。ひらがなのお勉強にもなっているかな~と、ちょっと、うれしく思います。

二歳の長男は、ただ今、好奇心旺盛で、なんでも気になり見たがります。なので言葉も行動も、吸収力がとても早く驚かされることが多々ありますし、子育てしていて、とても面白く感じます。

当たり前のことですが、家族で挨拶を意識して話しかけていると、自分から「おはよー」や「いただきます」「ありがとう」など、ちゃんと言えるようになってきました。まだまだつたない言葉なので「ごちそうさま」が「ごちひちま」になってしまい、笑えてしまうこともありますが、根気よく「ごちそうさまね!」と訂正してあげます。最近は、「こんにちは」を家族以外の人に挨拶できるようになり、本人も誰かに言いたくてしかたがない様子です。幼稚園の先生にも「こんにちは言えてすごいね~」と褒められると、とても嬉しそうで、私が「また、ご挨拶できる?」と聞くと、「言える」と自信いっぱいです。これも小さな成功が積み重なり、自信となったのでしょう。

 

成功成功と、成功ばかりの話しだけではありません。社会や人としてダメなこと、嘘をついたときなどは、しっかり、しかってあげなくてはならないと思っております。悪いことに気が付かずやってしまったことは、きちんと教えてあげる必要がありますし、悪いと分かっていながらやったことを、親が見逃してくれた、親にばれなかったとなると、小さな悪事の成功を繰り返しているうちに、悪い事への意識が薄まり、のちに犯罪へとつながってしまう危険性があると思うからです。こういった事は、親がしっかり、躾ていかなくてはならないと、私は思っております。

 

皆さんも、意識しなくても、こういった子ども達の小さな成功を見守り、だんだんとステップアップして、母と子の信頼関係を築いて来られたと思います。私自身、子どもの頃、実家の母によく怒られ、自分はこんな母親になるもんかと思っていましたが、実際、母親になってみると、親業の難しさに直面します。悩むこともたくさんありますが、子ども達を幼稚園に通わせるようになって、ママ友ができ、また子育てで不安なときは、先生方にも相談をしたりして、母親としての経験を積み重ね、子ども達と共に成長してきたと思います。

人間、何事においても、大きな目標を一発で成功することなんてありえません。その大きな目標の前には、小さなステージを何個もクリアしていく。失敗しても、それを乗り越えようとする努力があるからこそ、成功への道が開けるのではないでしょうか。

「継続は力なり」「成功への一歩は、小さな努力の積み重ね」私達の子どもにも、いろいろな体験を、たくさん経験させてあげて、明るく何事にも挑戦できる子ども達になってもらいたいと思っております。

 

そして、この場に立たせて頂いたお陰で、もう一度、自分の子育てを見直す良いきっかけとなりました。少し気持ちに余裕ができ、前より、楽しく子育てできるようになったと思います。

これからも家族と子ども達を温かく見守られる、良き母親になれるよう努力していきたいと思います。ありがとうございました。